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映画「インターステラー」

上映時間169分のインターステラーを観てきた。

映画を観た感想としては、100点中30点くらいかなと思った。

夫は60点くらいとの評価だった。

 

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銀河系を超えた宇宙や相対性理論、人類破滅という難しいセッティングの中

展開される映画ではあったが、テーマは家族ドラマ、ヒーローは勝つ、

なんだかんだ人類は生き残っていく、といったメッセージだった。

深みやひねりははなく、意外とストレートに伝えられた感じだった。

宇宙映画と聞いてキューブリックの「2001年宇宙の旅」みたいな映画かと

勝手に想像していた部分があったので、ポップでベタな仕上がりに

不意をつかれた感じだった。

 

よかった点としては、リアルな宇宙を想像させる映像がすごく、

宇宙旅行へ行っている気分になれたこと。銀河系にスペースシャトルが浮遊している

様子や、氷で覆われている惑星や海一面の惑星の世界がリアルで迫力満点。

宇宙飛行士の目から見る世界が少しわかったような気がした。

また、宇宙船の連結時、発着陸時の緊迫した様子が伝わってきたので、

ドキドキ感もあった。音響も映像と合っていてよかった。

 

悪かった点の方が多いのだが、一言で言えばストーリーが薄っぺらいということだ。

地球が滅びる危機が迫っている中、NASAが人類移住計画を実行するための

惑星を探すストーリーなのだが、そもそもなぜ地球が滅びることになっているのかが

よくわらからず謎だった。

また、宇宙という科学的な題材で理論に基づいた描写がされる中、

父と娘の家族愛も同時に描かれる。

その科学的な要素と非科学的な要素のバランスが悪いように感じた。

宇宙の映像がよくてその世界観に浸っていたいと願うのだが、

いちいちヒューマンドラマに邪魔をされる。

 

一番思ったのは、最後のシーン。

主人公の飛行船が解体し、宇宙に独り身で放たれ、5次元空間にトリップするのだが、

5次元空間に閉じ込められた主人公が見たのは、

小さい頃の娘が家の部屋にいるところ。

主人公は娘の部屋にあった本棚の本を通して、

なんとか宇宙から過去の娘と自分へのメッセージを暗号で伝えるのだった。

そのメッセージは、「宇宙への旅にでるな。家にいろ。」というメッセージなのだ。

そのシーンは映画冒頭に娘が本棚からなにかメッセージを

読み取るシーンと重なるのだった。

このシーンこそ、イマイチな展開ベストワン。

今まで科学的な宇宙の仕組みや計画がある中、

あまりに非現実的すぎる5次元のシーンに冷めた気持ちになった。

今まで散々時空とか人間の力を超越したなにかを示唆する中で、

主人公が宇宙にいながら地球の娘と交信できたタイミングや、

娘がすぐにメッセージに気がつく感じがあまりに出来すぎた展開だ。

そのストーリー展開があまりに安易すぎて、

一気にSFからベタベタなヒューマンドラマに放り投げられ

映画がよくわからないものになる。

また、主人公には何度か危機が訪れているにも関わらず、

なんだかんだが助かっちゃう様子もベタだった。

ベタが悪いわけではないが、あまりに表面的にさくっと進む展開なので、

もう少し上手い映像の作り込みはできなかったのかとつい思ってしまう。

 

キャラクター設定もイマイチだった。

例えば、NASAで宇宙飛行士になるような頭の良い人物であれば、

論理的な行動にでたり、利口な手口を使ってもおかしくないはずだ。

宇宙探索中、主人公率いるチームや先人の宇宙飛行士に出会うのだが、

その飛行士が主人公を殺しにかかる。

そのストーリー展開は悪くないが、NASAの宇宙飛行士なる人がとった行動や

表情があまりに稚拙だった。

その人の人格が厳しい環境下で崩壊していく様子が描かれていれば別だが、

そのような描写もなかったので、単にキャラクターの設定が

矛盾しているような印象を受けた

他のキャラクターも表面的な設定が多く、人物像をあまりつかめなかった。

ストーリーにいろんな要素を盛り込見すぎて、

キャラクター含め一個一個の設定に深みがでなかったのかもしれない。

 

厳しい目で見ると色々とつっこみたくなる映画だったが、

ドラマ的にサクッと見る映画が好きな人はちょうど良いストーリー

だったのかもしれない。

ただ、サクッと見るドラマにしては宇宙や人類滅亡など、

結構重い題材と映像を見せつけられる。

重い映画なのか軽い映画なのか、どっちつかずな感じは新しくもあるが、

個人的には中途半端な映画だった。

 

自分自身科学や相対性理論についての知識が皆無なので、

どうしても映画全体として楽しめたかどうかの感想になってしまう。

科学の知識が豊富な人がみればまた違った楽しみ方があるのあもしれない。