二組のアーティスト
去年から我々夫婦が楽しみにしていたモノが完成した。
近所に住んでいる友人リョウ・マルオカの初アルバム「サイクル」のリリース発表がされた。
そのプレビュー音源を聴かせてもらった。
素晴らしい作品だった。
今もずっとリピートして聴いている。
とても個人的な細かな気持ちの揺れが音楽になっている。聴けば聴くほどに繊細な感覚が音となって響く音楽だ。
繊細な感覚がどんどん研ぎ澄ませられて、浮遊感を覚える。それは、とても日常的な空間の中で身体が浮き出す感覚だ。あくまで日常の中での出来事なのだ。
そして浮いていた身体は、また一定期間を経て元の位置も戻ってくる。その時、少し自分の変化に気付く。ほんとうに小さな変化に。
そんなアルバムだった。何だか自分もはやく作品をつくりたいと震えたった。
http://bridge.shop-pro.jp/?pid=92400106
そんな日々を過ごしていた。
もう一組。このひと月、ずっと聴いているアーティストがいる。
きっかけはたまたま。ウチの店で小さな会を開催してくれた。実はその日までアナログフィッシュの事は知らなかった。
でも、今では過去のアルバム全てお気に入りで。毎日通勤の車中に聴いている。
彼らからも新作アルバムのプレビュー音源を聴かせてもらった。
新作アルバムも含め、どのアルバムも一曲一曲が個性を持っていて、耳に残るフレーズが沢山詰め込んである。
無理に気分を上げるわけでもなく、無理に深刻な気分にさせるわけでもない。常に平坦な気分なんだけれど、言葉の力とメロディーの力を最大に使って、聴いている僕らをその独特なアナログフィッシュの世界に引き込み、少しづつ気持ちを高揚させる。
その独特な世界観と少しノスタルジックな感覚にハマり、気が付くと虜になっている。
http://analogfish.com/wp/archives/5343
この数日前にはフジロックに行って、ミューズやフーファイやツイッグスなど大物アーティストにガツンとやられてきたけど。
私たちの日々の生活の中では、リョウマルオカとアナログフィッシュの身近な音楽の方が自分たちにすっと馴染んできた。何だか、すっと生活に入り込んでくる感じ。
そういえば、20歳くらいの頃。音楽アーティストの舞台をつくりたいとずっと思っていた。
自分は音楽が好きだけど、音楽を演奏するセンスも歌うセンスもないし音楽知識も特別ない。
だけど何かしらの形で関わりたい。音楽を聴いて感じることは得意だし、そのための空間なら作れる。そんな風に思っていた。
フジロックから帰って、二組のアーティストから、そんな事を思い出させてもらった。