夫婦で働くこと・生活すること

働くこと・生活すること・夫婦ブログ

ラオスの自転車と村と紙

ルアンパバーンの中心部は整備された道路と観光客向けの風景が広がります。

カフェがたくさんあって、お寺があって、旅行会社も多くあります。

でも、中心からちょっといくと、山がいくつかあり、山にはいくつかの村があるのです。

村は観光客にオープンなので、ぷらっといっても大丈夫なのです。

 

そんな情報を聞いたので、私たちは一日400,000KIPのマウンテンバイクを借りて

Xangkhong Villageという、テキスタイルと紙で有名な村を訪れました。

山を下り、橋を渡り、川を渡り、山を登るとたどり着きました。

 

中心地から離れると道路ががたがたになり、バイクが多く、砂埃もすごいです。

でも、色んな人がいて、人間観察をするにはもってこいです。

わいわいして下校する学生服の女子。

小さい男の子が自転車を乗り回している姿。

家を工事している人。

建材をリアカーで運ぶ人。

アイスクリーム販売のバイクを乗る人。

トゥクトゥクを乗る人。

道ばたでのんびりしている犬、猫、鶏。

 

私たちが訪れた村はアスファルトの大通りから、

赤い砂や小石のぼこぼこ小道を入ることから始まりました。

坂がたくさん。そして、凹凸もたくさん。

タイヤの太いマウンテンバイクでなければ、自転車走行は厳しいことだったでしょう。

 

道の悪い道路を走り、竹でできた民家やゲートのある豪華なお家を

数件とおりすぎた後、お店が連なる一本道にでました。

テキスタイルと紙が有名な村ということもあり、

道を歩いていると、次々にお店があり、店舗スペースの横で

女性が編み機で布を編んだり、紙を作ったり、男性が絵を描たり、

木彫りをしていました。

お店と住宅が一体の様です。

村の中の、ハンドクラフトが盛んな道。

大きなビルは一個もなく、ぱっと見る限り機械という機械は車とバイクだけ。

道の脇には木や植物が茂り、花が咲き、水路があり、

家も竹と木とレンガで作られたようなた佇まいです。

猫がたまに通りすぎ、犬もマイペースに散歩していて。

鶏もひょこひょこ歩いています。

自然と住宅と人間と動物が融合していて、まるで昔にタイムスリップした様でした。

数キロ自転車を走らせただけなのにまるで違う風景がここに広がっていました。

 

歩いていくと、お店の前の芝生に木の土台にのせられた四角く大きい

白いキャンバスが目に入りました。

中には草木や花が埋め込んであるのもあり、一瞬なんだろうと思うのですが、

よく見ると、 紙でした。そう、紙のお店です。

 

店の入り口には紙の上に絵を描いている女性が一人。

入り口の端には紙を作っている女性が一人。

奥には大きな紙に絵を描いているおじちゃんが一人。

そのおじちゃんが色々と教えてくれました。

 

紙はマルベリー(桑の木)の樹皮から作っているそうです。

樹脂を1日熱湯で湯で、水につけると茹でたチキンの胸肉みたいに

柔らかくなります。

それを粉々に砕くと紙の下地ができあがり。

四角い容器に水を張った編みの上に下地を入れて、平に敷き詰め、

しばらくしてから引き上げて天日干して乾かすと、紙の出来上がりです。

ちなみに、花や草木を紙の中に入れたいときは水を張った際に投入します。

出来上がった紙は普段見慣れたコピーペーパーとは違い、

ザラザラとした質感と凹凸があります。

 

マルベリーの樹皮は熱湯で洗う回数によって色が変わってくるそうです。

1回洗っただけだとダークブラウンの色になりますが、

数回熱湯で洗うとだんだんと色が薄くなってライトブラウンとなり、

樹皮がまるでさきいかの様にピロピロとはがれてきます。

洗うことで強度がさらに増すそうで、

何度も洗った繊維は何年経ってもも丈夫な素材になるとか。

 

私たちの入ったお店はマルベリーの樹皮だけでなく、

・マルベリー+象のフン

・お米

・バナナの葉っぱ

・アカの木

色んな素材を使った紙を作っていました。

 

身近な素材でなにかを作り上げる彼らの様子は自然と人間が

上手く融合しているように感じます。

マルベリーの木はラオスの中では良く生えている木であり、

草木や花は、道ばたで拾ってきたもの。

東京で暮らしているとあまりこういう風景は見なくなりました。

なにかを買って解決する、ということに走りがちな毎日。

工夫さえあれば、身近な物でお金をかけずになにかをすることも

可能なんだ、というお手本を見た気がします。