夫婦で働くこと・生活すること

働くこと・生活すること・夫婦ブログ

かぐ03 THEざいす

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私がはじめてデザインした椅子は「座椅子」でした。

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なぜ座椅子をつくったのか。

ある「座イス」の影響です。

私の椅子に対する考えが変化するきっかけとなりました。

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椅子に興味はあっても「座椅子なんて」まともに座ったことないし、

現代的でもないし、全く興味の対象ではなかった。

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しかしこの座イスに出会って「座椅子なんて」とは言えなくなった。

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zaisu01

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底の部分が軽く湾曲しているのが分かるだろうか。

畳を傷つけないように湾曲している。

そして少しロッキングする。

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それらのちょっとした機能がとても重要。

機能が何気なくデザインの一部として形に溶け込んでいる。

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「三角の木の部分」がポイント。

木のフレームは「背もたれ部分」と「底の前と後」の三方向に伸びています。

この三方の重なる所にある「三角の木の部分」。

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この部分が「駒入れ成型」「ラケット構造」という特殊な造りになっている。

この造りが、この座イスの機能と美しさをまとめあげている。

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また、木部(フレーム)と生地部(座と背)が無駄なく構成されている点も美しい。

接合部分にビスやネジもなく、座と背にも木板が含まれているが見えるのは生地のみ。

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シンプルだが、とても深みのあるデザインだ。

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この座イスのデザイナー垂見健三は家具を壊すのが日課でした。

何十万円もする名作椅子の接合部分を切ったりして、分解。

どこにどんな材料を使っているのか。

どんな技術で作っているのか。

とことん分析。

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そんな研究に裏付けされたデザイン技術。

この座イスには、表面的に見えない所に生きている。

それが分かった時、「座椅子なんて」とは言えなくなったのです。

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天童木工 座イス

家具デザイナー垂見健三の代表作。

日本が誇る家具メーカー天童木工から製品化されていた。

いま販売しているかは不明。

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